ホワイト企業審査の伴走型支援を活用し、 昔のままだった就業規則を「令和版」に改定。
A評価★
建設業界
50 ~ 300人
1984年の創業以来、ケーブルテレビ工事、通信・セキュリティ工事、無線設備工事など、幅広いコンストラクション事業および保守サービスを手掛ける株式会社日本総合施設様。いまだに「3K」のイメージが強い建設業界において、自社の現状を第三者の視点で見つめ直し、若い人材の採用・定着に活かしたいとの考えから、当協会のホワイト企業判定を利用されました。今回は株式会社日本総合施設の里中社長、川畠常務に、ホワイト企業判定を利用された理由やメリット、周囲の反応などについて詳しくお話を伺いました。
これまでの就労規則を大幅にリニューアルし、 社員の意識が徐々に変わっていくのを実感。
――まずはホワイト判定審査を利用しようとお考えになったきっかけについてお教えください。
里中社長/ホワイト企業判定を利用した一番の動機は、採用の現場で若い世代の方たちに興味を持っていただくなかで、建設業界にはいまだにブラック企業のイメージを持たれる方が多いと感じたからです。そもそも当社はホワイトなのか、ブラックなのかを知り、どこが良くてどこがダメなのかを把握するために、ホワイト企業審査を受けようと決めました。
――御社ではホワイト企業判定の取り組みを1年半ほど続けられましたが、従業員の方々は取り組みについてご存知だったのでしょうか?
里中社長/就業規則を変えたことや、入社時に必要な書類のフォーマットを作ったことによって、関心を抱く社員がとても多かったですね。各事業の本部長が今年取り組む施策を発表する中で、就業規則の大幅リニューアルについて伝えたところ、後日行ったアンケートで「興味がある内容だった」という回答が最も多いという結果になりました。
――御社は40年近い歴史を持つ会社ですが、これまで就業規則の改定はどれくらいの頻度で行われてきたのですか。
里中社長/お恥ずかしい話ですが、今回の取り組みで大幅にリニューアルする前の就業規則は16ページ程度のもので、数十年前にできたものを少しずつ改変する程度の見直ししかできていませんでした。それが現在では80ページほどまで一気に増えました。おかげさまで今の時代に即したものへとバージョンアップできたのではないかと思います。
――社員の皆さんからのリアクションはいかがですか。
川畠常務/就業規則のリニューアルについては、社員一人ひとりに直接関わる内容だけに「会社が生まれ変わるのを感じた」といった前向きなコメントが寄せられたのが印象的でした。今回の取り組みを後押しする形で、社長からも全体会議の場で「変わっていくんだ」という強い決意を表明していただき、将来に向けて会社が成長していく手ごたえを実感することができたのがとても良かったです。
20代・30代が中心の中途採用の場面でも アピール材料として活かしていきたい。
――当社においては、就業規則のリニューアル作業とホワイト企業審査に向けた取り組みが、同時並行で進んでいったかと思います。当協会の審査が就業規則の改定にどのような影響をもたらしたのでしょうか。
川畠常務/専門家の方々から既存の就業規則に点数を付けていただいたのが大きなポイントだったと思います。周囲の企業と比較してどんな点が劣っているのかを洗い出し、どこから手を付けるべきかが明確になったことが非常にありがたかったです。改善すべき項目をすべて一覧で出してくださったため、社長に目を通してもらう時にもスムーズに話が進みました。
――そうでしたか。こうした改善点の棚卸というのは企業様にとって非常に骨が折れる作業であり、専門家の知見がなければうまく進まないケースも多いです。当協会がご提出する中間報告の内容をご評価いただくお客様もたくさんお見えになります。御社には顧問社労士さんもお見えになると思いますが、その点は問題なかったでしょうか。
川畠常務/むしろ顧問社労士の先生たちにも遠慮していた部分があったようです。なかなか経営陣に意見する場がなく、御協会の中間報告を受けて「私たちもそう思っていました」といった声が聞かれました。ホワイト企業審査がいわばカンフル剤のような役割を果たし、残業代や賃金規定、給与体系の見直しなどが一気に進み始めています。
――採用につなげていくという当初の目的については、いかがでしょうか。
里中社長/当社では、中途採用で20・30代の若い世代を数多く採用していますので、今後はそういった方々へのアピール材料としても活用していきたいと思います。ホワイト企業審査の良いところは、専門家の視点からまるで人間ドックのように細かく企業のホワイト状況を診断してくれることだと感じます。また、診断して終わりではなく、改善すべき点をどのように改善したらよいか、具体的な提案をしながら改善に向けての取り組みを伴走型で支援してくれるのも魅力です。これからもうまく支援を活用しながら、よりよい労働環境の構築に向けて頑張っていきたいです。
――株式会社日本総合施設様は、暮らしに欠かせない通信インフラを支える事業者として、社会貢献性の高いビジネスを展開しています。今後もこうした企業の使命を果たし続けるためには、社員一人ひとりが仕事と家庭を両立し、充実した人生を送れる環境づくりが大切です。ホワイト企業判定を契機に、就業規則の大幅リニューアルを含め、着々と労働環境の改善を進めれられている株式会社日本総合施設様。私たちも法律分野のプロフェッショナルとして今後の活動をサポートしていければと思います。今回はありがとうございました。